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語り物・万歳

語り物
語り物は歌詞の内容を伝えることに重点が置かれるもので、音楽的旋律美よりも詞章の言語抑揚が優先される。様式は叙情性よりも叙事性に富み、運びの速いリズムで事件を叙述するのに適しているといわれている。語り物では平曲、謡曲、説経節、筑前琵琶、薩摩琵琶、浪曲、義太夫節・新内節といった各種浄瑠璃がみられる。これらを一括して語り物ととらえているが、本県ではわずかに説教節や祭文などの語りがあったが、現在では全く途絶えてしまった。
万歳
万歳は正月に村々を廻り門付けをして祝福の言葉を述べたり、面白可笑しい話を掛け合いで演じていくものである。正月の祝福芸でもある。もとは千秋万歳ともいった。秋田には三河万歳か江戸万歳が伝わったといわれ、定説にいたっていない。秋田では太夫と才蔵の二人一組で、太夫は烏帽子に素袍で扇を持ち、才蔵は門付けには頭巾に裁着袴で鼓を持つ。二人の掛合で口調身ぶりも軽快に万歳独特の寿詞を唱え、のちに余興にくだけた万歳を演じる。本県では御国万歳・家建万歳など、数々の儀式的な詞章があるのも特徴である。秋田万歳というが、秋田市を中心としたものと、横手市を中心とした系統もあり、そのほかささら(三匹獅子舞)や駒踊り、鹿角市では太神楽にも万歳を演じることがあり、風流芸能に複合してみられる。

秋田万歳(あきたまんざい)